もう一つのビジョンINNER VISION

無人島

以下の内容は、ビジョンという目的地に辿りつくための考え方や心得。実際の航海で例えるなら、不確定な海上を安全に航海するための考え方の根幹となる「シーマンシップ」(航海術)にあたるものです。ぼくたちの「DNA」と言ってもいいかもしれないし、最終的に叶えたいもう一つの夢です。

毎日が大冒険

ぼくたちの会社は社員が4名しかいない家族経営みたいな小さな会社。なので、お互いが助け合い、支え合いながら、毎日必死の思いで仕事に取り組んでいます。というか、人数が少ないので助け合わないとなかなか前に進んで行きません。例えるなら小さな舟で大海原を旅してるような感じ・・・。

DREAMISLAND

おかげで毎日がハラハラドキドキ。創業して10年も経つのに未だ毎日が大冒険です。一人でも欠けたらえらいこっちゃです。でも、人数が少なかったことで得られた宝物もたくさんあります。

臆病であり続ける

一つ目の宝物は「自信」が得られたことです。人数がいれば考えなくてもいいようなことを、人数が少ないからいろんなことを必死で考えたんです。結果、ムダムラロスが徹底的に改善されて、二人でしていた仕事が一人で出来るようになり、一人で出来る仕事が二倍になり、スピードと共に完成度がどんどん増していきました。無理だと思っていたことができるようになると壁を乗り越えることがおもしろくなってきます。もうちょっといけるかな。あとちょっといけるかな。やったー!できたー!そんなことを繰り返してる間に、効率や対応力がどんどん増していきました。

「変化」していく過程がおもしろいんです。そして、変化することが喜びに変わり、自信に変わっていくんです。ダーウィンはそれを「進化」だと言いました。進化論にはこう書いてあります。「最後に生き残るものは、最も力の強いものでもなく、最も賢い者でもなく、変化したものだ。」つまり、野生の本質とは、「常に慎重であること。臆病であること。そして変化に対応していくこと。」この3つが重要であり、それが一番の強さなのだと。変化することが進化だと。時代や場所が変わってもこの法則は「普遍」なのです。だから、これからも常に臆病であり続けたい。

チームワークで波を乗り越える

二つ目の宝物は「チームワーク」が得られたことです。人数が少ないのでシーズン中の週末や連休などは目が回るような忙しさです。あっちもこっちも手が足りません。ツアーの現場も食堂も戦場みたいになります。なので、手が空いてる時は助けに入ったり、逆に自分が忙しい時は助けられたり、といった持ちつ持たれつの助け合い「ギブ&テイク」が基本です。加えて、大きな波が訪れた時には「力を出し合いチームワークで乗り切る」というのが今では社風の一つです。お互いがリスペクトし合い「あ・うん」で仕事をこなす。チームで大きな波を乗り越えた時の達成感はなんとも痛快です。仲間がいて良かったと思う瞬間でもあり、助け合える仲間がいることはなによりの支えになります。一人じゃできないことも仲間がいてはじめて達成できることがあます。

というわけで、新しい仲間とそういった「支え合う関係づくり」を進めていくことがぼくたちのもう一つのチャレンジです。例えるなら船のクルー(乗組員)に近い関係性です。目的地に向かって一つの船を進めるためには、個々が明確な役割を持ち、与えられた持ち場で自分の仕事を確実にこなす必要がありますが、ここで重要なのは「気の合う仲間が何人いるか」ではなく「命がけで叱ってくれる仲間や助けてくれる仲間が何人いるか」です。航海においては一人の小さなミスや不注意が全員の命に関わるからです。つまり、クルーとは信頼で繋がった運命共同体であり、互いがフォローし合う仲間のこと。こうした関係性は一夜にして築けるものではありませんが、それを持ってすれば大きな波も楽勝で超えて行けると思います。

役割と使命

また、分業化された大企業と違い小さな会社がゆえ一人が担う仕事の範囲は広いです。例えば、代表の立花の場合は日々目の回るような厨房をさばきつつ、裏方業務のスペシャリストとして全体の管理業務や会計などのややこしい経営業務を頭をポリポリしながら一手に担っています。共同代表の連河の場合は、ツアー業務の傍ら、デザイナーの経験を活かして、しちめんどくさいホームページの制作などのディレクション業務や、その他、海の仕事や未来をつくるためのお金にならない地味な裏方仕事をこなしつつ、目に見えない屋台骨を影で支えています。

気が優しく力持ちの太田の場合は、現場のフロントマンとしてガイドとカフェの二つの重責をこなしながら、雨にもまけず、風にもまけず、てな感じで手をまっ黒にして大地と格闘しています。小柄な割に大食いの看板娘、井上の場合は日々大量のパンやお菓子を焼きながら、これまた大量の果物をジュースやスイーツに変身させながらその辺を走り回っています。よく走っているので万歩計を付けて計ってみたら、狭い店の中を一日10キロ以上も走っていました。よく食べるはずです。

以上、よく食べよく働くこのメンバーで現在年間4万人近いお客様を対応しています。すべては10年の積み重ねとチームワークで乗り越えて来た結果です。ただ、こんなにたくさんのお客様が来て下さるとは正直想像していませんでした。目の前のことを必死にこなし、良心に従い、正しいと思うことをしてきただけです。でも、自分が信じた場所で、信念を貫き努力を重ねれば、結果は後からついてくる。そのことは強く信じてきました。結果が出たことはなによりの自信に繋がりました。そして、信じることの尊さを学べたことは、なによりの財産になりました。

そんなこんなで毎日必死でがんばっています。が、さすがに4名では手に負えない状況になってきたので、そろそろ新しいメンバーを募集しようということになりました。これから出会うメンバーがどのポジションで仕事をするかはわかりませんが、個々の得意分野を活かして相乗効果が図れたあらいいな。新たな魅力がつくり出せたらいいな。などと妄想しています。

仕事と生業

それと、田舎は日々の業務の他にも様々な仕事があります。例えば、田んぼの管理や畑の水やり、畦の草刈りなどがそうです。これらは日々の業務とは直接は関係のないものですが、未来をつくるための大切な仕事です。私たちの食堂は田んぼの中にありますが、食堂が営める根本は「美しい景観」があってはじめて成り立つものだからです。したがって、お店を続けるためにも、こうした仕事や地域との関わりがとても大事なのです。これについては→ コラム「仕事と生業」に詳しく書いてみたのでぜひ参考にしてみてください。違い解ると仕事の考え方がクリアになるはずです。

一つを極め一流を目指す

最後に、これから出逢う人に一つだけ期待することは、「この分野なら誰にも負けない」といった、自分にしかできない専門分野を探し出すと供に、一つの技術とことん磨いてほしいということです。これにはいくつかの理由があります。

一つ目は、一つのことを継続し、極めていかない限り、本当の意味での仕事のおもしろさや喜びといった「機微」感じることができないからです。そして「いい仕事」ができるようになると「笑顔」が増え「ありがとう」が増えます。笑顔が増えた分だけ結果として収益も上がります。収益が上がれば報酬となり自分に返ってきます。がんばった分だけ評価されれば、自信が付き、がんばる気力も湧いてきます。同時に心にゆとりも生まれます。

ゆとりが生まれ、心が満たされはじめると、人に対する「感謝の気持ち」が生まれます。すると次は「自分ではないだれか」のためにがんばることが喜びに変わってきます。その思いは、音楽のようなリズムとなり、シンパシーとなって人に伝わっていきます。努力を重ねるほど「ありがとう」が増え「感謝」が増えます。人のためにがんばることが、結果としてすべて自分に返ってきます。

そして、感謝の思いが深くなると、魂のレベルが上がりはじめます。仕事をワクワク楽しむほどレベルは上がります。そしてワクワク仕事をしてる人はとても輝いてみえます。と、出逢う人が変わってきます。ここが一番のポイントです。誰と出逢うか。それこそが人生における一番重要な仕事です。人との出逢いによって世界は大きく変化するからです。一流の人たちのまわりには一流の人たちが集まってます。だから、どうせなら最初から一流を目指すべきです。

互いに支援し合い感謝で繋がるフラットな人間関係

これといった取り柄もない凡人のぼくたちがここまでがんばってこれたのは、その背景にたくさんの人たちの支えがあったからです。そして必死でがんばっていたら、いつの間にか一流の人たちが支援してくれるようになっていました。一流の人たちだ届けてくれるものはなんだと思います?お金だと思います?これがわかった人はもはや一流ですが、答えは「謙虚さと成功法則」この二つです。価値ある情報やチャンスの雨は上から降ってくる。要するに、一流の人たちはヒントを与えてくれるんです。ここはこうした方がいいよ。経験から導き出された理論や法則を教えてくれる。そして、ヒントに沿って行動するとおもしろいくらいにうまくいく。つまり、王道を示してくれる。

アホなぼくたちがここまでこれたのは、実はそうした方たちのおかげなんです。困ったなぁ。と思ってると、力を貸し手くれたりヒントをくれるんです。同時に、いただいた感謝を返すべく、人様に恥ずかしくないような仕事をしよう。そうした思いがさらなる高みへと連れていってくれる。つまり、人を助けようとする人は、人に助けられ、人を利用しようとする人は、結局はだれかに利用される。そして行き着くところは孤独。だから、そうならないよう、ぼくたちは目先のお金だとか、この人と付き合うと得になるかだとか、条件や打算的なことは一切考えず、人に対する感謝を軸に仕事をしてきました。「互いが支援し合い感謝で繋がるフラットな人間関係」それこそが人生において一番大切なものなんだと思うんです。だから、そういう人間関係を築いていけたら。と思っています。

個性を伸ばして高め合う

総じて、時間をかけてなにかを続けることが個性になるんです。例えるなら3年物のワインと30年もののワインとでは個性が違うのと同じです。一つにかけた情熱の時間が価値になるんです。だからぼくたちは個性を伸ばしたいと考えます。ただし、こうした考え方は世の中の会社では恐らくごく少数派です。一般的にサービスの現場で求められるのは「没個性」だからです。みんなが同じことができれば、ひとりがいなくなっても穴を開けずに済みます。そしてなにより、お客さんにも迷惑をかけなくても済むからです。

ところがその人にしかできないことがあると、いなくなった途端にボッコリと大きな穴が開きます。つまり、個性を伸ばすことは会社としてはリスクでもあるんです。でも、ぼくたちはそれでいいと考えます。なぜかというと、その人にしかできないことを真似しようと思っても、同じことは真似できないからです。似たようなものはできても微妙に違う。それがオンリーワンの個性なんです。

だからぼくたちは最初から腹をくくってる。そして、もしもその人がいなくなったら大きくカタチを変えます。似たような違うものをつくるくらいなら全く違うものをつくりたい。一時は苦しいかもしれないけど、そこからまたなにかが生まれてくると考えます。最後に出てくるのはやっぱりダーウィンなんですよね。生きることとは変化すること。変化することが進化であり強さなんです。というわけで、互いが個性を磨き、技術を磨き、リスペクトし合いながら、高め合うことのできる会社。切磋琢磨しながら成長できる会社。それがぼくたちが手に入れたいもう一つのビジョンです。