NPO(法人)の基礎知識

NPO法人(特定非営利活動法人)の基本概念や株式会社との違いなどを解説しています。

2. NPOとボランティアの違い

非営利性と無報酬性

「ボランティア活動」 とは、原則的に個人の 「自主性」、「公共性」、「無償制」 に基づく地域貢献活動であり、利益(収益)を生むことを目的にしていません。つまり 「無報酬性」 を意味します。一方NPO活動とは前項で紹介した 「非分配」 のルールに従い、「社会的利益」 もしくは 「経済的利益」 を生むことを目的とした活動のことをいいます。よってボランティアとNPOとの大きな違いは 「無報酬性」 か 「非営利性」 かの違いとなります。多くの人が 「NPO=ボランティア」 と解釈している原因が、この 「非営利性」 と 「無報酬性」 の意味を混同していることにあります。

それともう一つ。NPOは事業に対する社会的責任を全うするため、一般的に有給職員が事業を運営しています。そうなれば、当然ながら運営資金が必要です。家賃、光熱費、人件費、通信費、その他一般企業と同じ経費がかかりますし、収益事業に関しては株式会社と同一の税率が課せられます。また、 「人、金、モノ、情報」 という、いわゆる経営資源も含めて、民間企業を運営していく上では、企業と同様のスキルが要求されます。つまり、地域社会に対して社会的利益、もしくは経済的利益を追求するため、「社会的責任」 もって事業を行うのがNPO。利益を求めず有志で活動するのがボランティア。そこがメンタル的にも境界線になると思います。