シーカヤック関連の書籍をセレクトしてみました。カヌーとは直接関係のない書籍もありますが 「海からの視点」というもう一つの視点を与えてくれる書籍も紹介しています。絶版書籍も多いですが・・・。
オススメ書籍
ヤポネシア 序説
島尾敏雄
「ヤポネシア」とは島尾敏雄が創作した造語で、日本を指すラテン語「ジャポニア」に群島を指す「ネシア」を追加してカタカナ化したもの。日本を島国として捉えるのではなく、海を中心としたネシア文化圏(海洋国家)として捉えるべきだという論説。国家の在り方が見える衝撃の一冊
苦海浄土
石牟礼道子
水俣の石牟礼道子さんの代表作。この本は水俣病の告発本という側面もありますが、「人間にとって一番大切なものはなんなのか」人を愛し、自然を畏れ敬い、患者と共に闘ってきた石牟礼さんだから書ける不偏なる愛の物語。熊本弁の語り口調がなぜこれほどまでに美しいしいのか。方言の大切さを見直すきっかけにもなりました。
忘れられた日本人
宮本常一
日本を代表する民俗学者、宮本常一(周防大島出身)の代表的な書籍の一つ。元々教師だった宮本さんは、そこで地域格差という超えられない壁に直面する。地域とはなんなのか。村や国とはなんなのか。良くするためにはどうしたらいいのか。それが民俗学の出発点。過去を洗うことで見えてくる今と未来。進歩の中には退歩もあると説いている。
日本の村・海を開いた人々
宮本常一
カヤックは海辺を旅しますが、漕ぐだけではただの通り過ぎる風景です。しかし、知識や視点を持てば、見え方や感じ方は変わってくる。宮本さんは実に地球4周分を離島を中心に歩いて来た人ですが、海辺の暮らしや、成り立ち、風習や習慣などを学ぶことに留まらず、旅が人間を作っていくのだ。という根本を伝え続けているように思います。
長い旅の途上
星野道夫
若干43歳で生涯を終えた星野道夫。彼の作品には命の尊厳がリアリティーをもって描かれる。が、それは、人はいつかは死ぬ。という当たり前を直視して生きてきた彼だから描けたのだと思う。生きてる間にどれだけの風景に出会えるのか。出会うこと。旅することの大切さを教えてくれる普遍的バイブル。
アムンセンとスコット
本多勝一
ノルウェーの探検家アムンセン率いる探検隊とイギリス海軍の軍人であるスコット隊との南極点到達を競う物語。悠々自適に帰還したアムンセン隊と全滅したスコット隊。明暗を分けたのものとはいったいなんだったのか。冒険記であるがビジネスマンに大人気の一冊。
海狼伝
白石一郎
直木賞を受賞した歴史海洋冒険小説。「海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となってやがて“海の狼”へと成長していく」という物語。
村上水軍の全容が知りたい人にもオススメですが、瀬戸内海から対馬、中国に至るまでの東シナ海全域が舞台となっており、海賊衆がどんな舟を創り、そんな戦を行っていたのか、などがワクワクしながら学べる傑作!
海から見た日本人
後藤 明
人類学・神話学・考古学などさまざまな分野の学問を駆使して海側からニッポンを捉えるとどうなるか。というヤポネシア学。ニッポンの常識を根底から再定義する本。