天気と催行(中止)規定Tour Regulation

天気と催行規定

Tour Regulation

晴天雨天に関わらず うさぎ 跳んだらツアー中止!?

一般的に雨天は中止?と思われがちですが、中止確立が高いのは晴天雨天に関わらず「風が強い日」となります。風が強くなると波が高くなり危険度が増すためです。

ツアーを中止するかどうかの目安は、海上に「ウサギ」が跳ぶかどうかです。ウサギとはサーフ用語で「白波」のことですが、風が強くなると波頭が砕けて白波が立ちはじめます。海面をぴょんぴょん跳ぶように見えるのでウサギです。こうなると初心者には過酷な状況となるためツアーはほぼ中止となります。

加えて、前線通過中の時など、大気の状態が不安定で「雷」が鳴るような場合も中止になります。雷は(予測できるものとして)保険の対象外だからです。

雨天は催行(最高!)

雨天は基本的にツアーは行っています。感動指数が高いんです。陸では不快な雨も、海上で浴びる雨は別世界の心地よさ。風を伴う場合は中止になることもありますが、一端雨が降り始めると気圧が安定し海が穏やかになることが多いんです。マイナスイオンが充満した、清涼感たっぷりの雨上がりの海ほど美しいものはありません。

また、真夏に海上で浴びるスコールのような雨はさらに極上です。土砂降りになるほど皆テンションが上がります。360度水に囲まれた世界で人はなぜかリラックスします。いずれも体験してみないことには想像できない世界ですが、とにかく雨降りは楽しくて気持ちがいい。水面に限りなく近いカヤックだからこそ感じられる神秘的な水の美しさや楽しさがあります。小さい頃に感じていたはずのワクワクする好奇心をもう一度!アウトドアでは雨も楽しいイベントです。

スコール土砂降り雨きたー雨上がりの海レインボー静寂の海

中止する場合は前日の夕方17:30以降に電話連絡

悪天候が予測されツアーを中止する場合は、前日の夕方17:30以降に電話連絡いたします。ツアーを行う場合は集合場所などの詳細も合わせてご連絡いたします。

※前線通過中や気圧の谷間に入った時など「大気の状態が不安定」で判断が難しい時は、ツアー直前で中止と判断する場合もあります。

Wind & Wave

風が吹くと海はどうなるか?についての解説です。

凪の瀬戸内海

風速0メートルの海

瀬戸内名物「」の海。別名「カガミ」とも呼ぶ。気圧が安定している時の海の状態で、海と陸の気圧の平衡がとれる早朝と夕方に観られる現象。称して朝凪夕凪とも。気温差が少ない春から初夏にかけては凪になる日も多い。こういう日は心も穏やか。海の上に浮かんでいるだけでも楽しい。

いつもの瀬戸内海

風速2~3メートルの海

平常時の海。夏場は海と陸の気温差が少ない午前中の方が海は安定しており、午後から風が増す傾向にある。が、シーカヤックはある程度風がある方が面白さが増す。風を読み、状況を予測しながら、最小エネルギーで目的地まで行くことを楽しむエコロジカルスポーツでもあるからだ。

風速4メートルの海

風速4メートル超の海

風速が4mを越えはじめると海上には白波が立ち始め、風下となる沿岸部や沖合ではうねりを伴うようになる。経験者には痛快なパドリング日和となるが、初心者には想像以上に過酷な海となりコントロール不能に陥る人が出てくる。経験により判断が分かれる場面。

風速6メートルの海

風速6メートル超の海

いわゆる「時化」の海。風速が6mを超えると風下にある海域では大きな「うねり」が発生する。海域が広い場所ほどうねりは大きくなるが、こうなった場合はうねりに飲まれないためのサーフテクニックが必要となる。上級者向け。

雨の海

雨の海

海抜ゼロメートルのカヤックから見る雨の海。雨が降り始めると気圧が安定し海が穏やかになることが多い。そのため雨天はなによりのカヤック日和となる。「巨大な水たまり」で遊んでいるような感覚だ。

雨上がりの海

雨上がりの海

ひとしきり雨が降った後は、湖のような静寂の時が訪れることがある。この時の自然の移ろいほど美しいものはない。空気の透明感が増し、凜とした清涼感に包み込まれる。最も感動的なシーンである。

※ネット上で配信される風速数値は配信元により異なります。目安としてお考え下さい。

Land & Sea Breeze

海陸風(島風)についての解説です

「風」は気圧差(気圧配置)によって生じ、気圧の高い方から低い方へと流れますが、周囲を海で囲まれた島の場合は、これに加えて「海陸風」(別名:島風)と呼ばれる局地的な風が吹きます。海陸風は海と陸との気圧差により発生しますが、陸は海と比べて暖まりやすく冷めやすい性質があるため、両者の間に気温差(気圧差)が生じてしまいます。陸の面積が広く、標高が高いほど、そして気温が上がるほど、気圧差が大きくなり、風も強くなります。

海陸風のしくみ
海陸風のイメージ図

【解説】海陸風の仕組み

陽が昇り陸地が暖められると山の上空で上昇気流が発生。吸い上げられた水蒸気が上空で冷やされ雲(積乱雲)となる。この時、上空へ引っ張られる力により空気が膨張し山の気圧が下がり始める。すると気圧の高い海から気圧の低い山の上空へ向けて風が流れ込む。この時の海から陸へと流れる風を「海風」(別名:シーブリーズ、オンショア、海軟風)と呼ぶ。

一転、気温が下がりはじめる日盛り(午後3時過ぎ頃)以降は、海上の空気が縮小して海側の気圧が下がりはじめる。すると今度は山側から気圧の低い海側へと風が流れ始める。この時の陸から海に向かって流れる風(図右)を「陸風」(別名:ランドブリーズ、またはオフショア)と呼ぶ。

気温の上がる夏場は気圧の変化に注意

海陸風は気温上昇に伴い強さを増すため、夏場にかけて勢力が強くなり、日中は気温がピークに達する午後から風が増す傾向にある。また「海風」は別名「海軟風」とも呼ばれる通り、非常に心地良い(ゆる~い)風である。しかし、気温が35℃を超えるような猛暑日などは「猛烈なシーブリーズ」が吹き荒れることもある。ただし、海風は陸に向かって吹くためそれほどの危険性はない。注意すべきは「沖に向かって吹く陸風」である。特に猛暑日の日没時や上空に分厚い雲がかかった時などは、瞬間的に突風のような「おろし風」(出し風)が吹くことがあるため、海上では気圧の変化などに細心の注意が必要だ。

一方、陸上ではこれらの風のおかげで夏場は過ごしやすくなる。日中は海風が吹き上がり、蒸し暑い夕暮れ時は、陸風により一気に気温が下がる。正に天然エアコンであるが、島の夜が過ごしやすいのは海陸風のおかげである。